hanakosaanのブログ

猫と暮らす日々を気ままに書いてます。

智恵ちゃん。

こんばんわ。hanakoです。

 今日は暑かった!
 そろそろ梅雨が明けるのかな。
 
 今日も花屋さんへ。
 あまりの暑さに以前生花を扱った時に使っていた小型の冷蔵庫をスイッチオン。
 ジュースを入れて、プリンを入れて、時々頭を入れて(?) いやーすずしい!!
 細身の同僚が「もしかしたら、私、入れるかもしれない」
時折、面白いこと言うんだ。 彼女。😁


 この暑さの中、今日もお客様が朝からご来店です。
 レジ打ちに追われていると「hanakoちゃん、久しぶり。」顔をあげると、???誰だろう?
 ??? あっ!智恵ちゃん。 え"っ!??

 目の前にあるのはリアル カロリミットダイエットのCMの光景。😅😅😅
 (CMをご存知ない方の為に。同窓会に行くと、昔スリムな同級生が今は太めな同級生に。というCMです。)
 あれ?  どうしよう? 言葉が出ない😅
 智恵ちゃんはビックリするくらい太ってしまっていた。


 智恵ちゃんは高校の同級生。クラスが違うので親しい程の関係でもなかった。
 ただ智恵ちゃんのクラスには私がいた吹奏楽部のメンバーが多かったので昼休みはよく遊びに行っていた。
 智恵ちゃんはクラスの人気者だった。卓球部に所属していて活発な女の子。いつも楽しそうに、クラスの中ではしゃいでいる智恵ちゃんが私には眩しかった。

 そんな智恵ちゃんが急に痩せはじめた。
 噂ではずっと片想いだった子に振られたらしい。クラスの中で仲の良かった男の子。まわりも絶対両思いだと思っていた程の仲の良さだった。男の子の断りの言葉が「俺、太めの子は好みじゃないんだ」だったらしい。
 智恵ちゃんは、ポッチャリタイプ。でも決して太すぎるような感じではなかった。むしろ私には女の子らしくて可愛らしく見えた。だけど、男の子のその言葉が彼女を傷つけてしまった。
 
 智恵ちゃんは会うたびに痩せていった。
 後ろ姿を見た時に首の所のごりごりが異常な大きさに見えた。制服の下の彼女の体が想像できた。骨と皮とはこういう事を言うのだろう。
 身体測定の時の彼女の体を見た保健の先生がその深刻さに両親を学校に呼んだ。
 だけど、智恵ちゃんの体は戻る事なく卒業をむかえた。卒業アルバムに載せられていた写真はふっくらした2年生の時の写真。両親が将来の事を考えて写真の差し替えをお願いしたらしい。それほど智恵ちゃんの姿は可哀想だった。

 それから、何年かして智恵ちゃんが花屋さんのお客様になった。その時の智恵ちゃんはふっくらとは言えないけれど、高校生の頃の智恵ちゃんより元気そうだった。話を聞くと、結婚して、今はお母さんだそうだ。幸せそうな智恵ちゃんを見てうれしかった。庭にお花を植えるのが楽しいの。と よくお店に来てくれた。

 そんな智恵ちゃんがぱったりお店に来なくなった。どうしたんだろう?仕事でもはじめたのかな? 気になってはいたけれど、忙しいのだろうと智恵ちゃんの事は忘れていた。

 気がつけばあれから何年も経っていた。
 お昼休みになったので駐車場で立ち話をした。
 「私、太っちゃったでしょ?実は旦那と上手く行ってなくて、食べてる時だけが楽しいの。
だけど、鏡見て、あんまり醜いから何とかしなくちゃって思って、また庭いじりでもしようかと思って久しぶりに花屋さんに来たの」
 そっか。そうだったのか。

 「私って駄目なのよね。」智恵ちゃんが悲しそうに言った。

 何も言えなかった。智恵ちゃんの心の傷は高校生の時のままだったんだ。結婚して、幸せになって癒されたのだと思っていた。
 
 「私ね、高校生の頃、智恵ちゃんが眩しかった。可愛くってクラスの人気者で。智恵ちゃんは駄目じゃないよ。智恵ちゃんはとっても素敵だよ。」私が言える、精一杯の言葉だった。

 智恵ちゃんの目から沢山の涙がこぼれた。

 もっと何か言ってあげたかった。智恵ちゃんの心の傷を思うと切なかった。ずっと痛かったんだろうな。それをどうしていいのか解らなかったのだろう。

 智恵ちゃん、心の傷が、少しだけ痛くなくなる方法があるよ。
 それは、智恵ちゃんが自分を好きになること。
 大丈夫、なれるよ。
 智恵ちゃんはあんなに輝いていたんだもの。


 私、あの頃の智恵ちゃんにもう一度会いたいな。