hanakosaanのブログ

猫と暮らす日々を気ままに書いてます。

まぼろし。

 

 コーヒーをいれようとキッチンに。

 

 カップはいつもの扉。

 

 扉を開けると

 あなたのカップの隣にもうひとつ。

 

 私のじゃない。

 

 ビックリして振り向くと

 女のひとが立っていた。

 

 笑顔であなたにコーヒーをいれた。

 あなたは笑顔でそれを受け取った。

 

 

 あなたは

 このひとと生きて行くの?

 

 

 しあわせそうな笑い声。

 

 私は

 靴を履き 部屋を出た。

 

 

 

 目が覚めた。

 

 春の眩い朝日の中だった。

 

 

 意地悪なひと 

 今ごろ夢に出てくるなんて。

 

 どんなに願っても

 あなたと夢で逢うことは出来なかったのに。

 

 しかも

 別れの夢なんて。

 

 あなたらしい。

 

 

 まだ言ってなかったね

 

 さようなら

 今までありがとう。

 

 私は

 違う道を歩き出してしまった。

 

 

 あなたがいた日々。

 

 遠い 記憶。

 

 

 

 現実だったのか

 まぼろしだったのか。

 

 

 私はもう

 それすらわからくなってしまったんだよ。