カーネーション。

こんばんわ。hanakoです。

　忙しさはさらに増し

　なんだか足の踏み場も無いくらい。

　ドタバタとレジ打ちをしていると

　近所の居酒屋さんのご夫婦がやってきた。

　　　カーネーション入った？

　来月の1日からの予定です。

　いまはまだ小さな鉢植えしか入っていない。

　　　小さいのでもいいわ。

　　　旦那が今のうちに買っておけって

　　　死んじゃったら買ってもえないから。

　明るく冗談のように言う奥さん。

　実は冗談でもないのだ。

　昨年旦那さんは喉頭がんを患った。

　ゴルゴ13にそっくりだった旦那さん

　痩せて面影がまったく無くなった。

　誰の目から見ても

　良い方へ向かっているようには見えなかった。

　余命宣告

　そんなには長くない。

　どんな姿でもいい

　生きてさえいてくれれば。

　奥さんはそう言っていた。

　小さな鉢を入れた袋を下げて

　二人は帰って行きました。

　うれしそうに旦那さんに話しかける奥さん。

　声を失って　黙ってうなずく旦那さん。

　母の日を繰り上げて

　少ない二人の日々を生きて行く。

　夫婦ってあぁいうものなのかな。

　最後まで添い遂げたいと思える人

　そんな人がいたら　幸せだろう。

　帰り道

　居酒屋さんの前を通ると

　出窓にカーネーションが飾ってあった。

　がんばれ

　最後まで綺麗に咲くんだぞ。