hanakosaanのブログ

猫と暮らす日々を気ままに書いてます。

忘。

こんばんわ。hanakoです。

 

 どうやら私は記憶力が良いらしい。

 

 写真を撮ったように脳が覚えるらしく

 数字だと10桁くらいならば1回見れば

 忘れない。

 

 PTSDも手伝って

 幼い頃の事も昨日の事のように覚えている。

 

 それが普通だと思っていた私は

 よく母親とぶつかった。

 

  あの時 お母さんこう言ったよ。

 

  そんな事言ってないわよ。

 

  ほら あの時 あのテレビ見ながら。

 

 私にはドラマのワンシーンを見ているように

 頭の中にその場面が浮かんでいる。

 

  ない ない そんな事なかった。

 

  だって お母さんお茶飲んでて

 

  そんなに細かく覚えていられるわけないでしょ?

  気持ち悪い子ね。

  

 酷いときは私は嘘つきになった。

 

 そんな事が色々なひとともあった。

 

 みんなと同じだと思っていた私は

 私の説明が悪いのだと思い

 わかってもらおうと食い下がる。

 

 すると 変なひとになってしまうのだ。

 

 作り話しをする子。

 嘘つきの変わり者。

 

 大好きだった伯父さんに

 嘘をつく人間は最低だと言われたのが

 今だに傷になっている。

 

 

 そのせいか

 数字や風景は覚えるのに

 そこにいるひとの顔が全く浮かばなくなった。

 誰がいたかはわかるけれど

 モザイクがかかったみたいに顔がわからない。

 

 私はひとの顔が全く覚えられなくなって

 しまっていた。

 

 1度見たら数字は忘れないのに

 人の顔は逆に1回見たくらいでは全く覚えて

 いない。

 近所の人などスーパーで会って声をかけられ

 てもまったく誰なのかわからない。

 

 キョトンとした顔をするので

 またもや変な目で見られる。

 

 実は花屋さんのお客様もそうなのだ。

 さすがに10回くらい会えばわかるけれど

 挨拶されてわからないひとがほとんどだ。

 

 

 忘れてはいけない。

 

 なぜなのだろう。

 

 私は自分の中の記憶を

 必死になって守っていた。

 忘れる事が恐怖だった。

 

 でも 

 それを冷笑した人間は

 私の記憶には残らなくなってしまった。

 

 変な話だ。

 

 

 でも 今日。

 

 忘れる事も悪くないなと思った。

 

 忘れるから 

 次に行けるのかもしれない。

 

 忘れてしまうから

 まぁ いいかって思えるのかもしれない。

 

 笑って明日を

 迎えられるのかもしれない。

 

 私は

 長年背負ってきた

 重い荷物を下ろすことにした。