hanakosaanのブログ

猫と暮らす日々を気ままに書いてます。

失くしたもの。

こんばんわ。hanakoです。

 

 お土産に買ってきた人形焼き。

 時間が経つとペシャンコになる。

 その土地では有名なお店。

 

 小麦粉を減らしているんだな。

 確か小麦が高騰して

 何度か小麦粉が値上がりしていた。

 

 商品価格を上げないように

 苦肉の策なのだろう。

 

 

 東京の下町の商店街で育った私は

 アーケードが遊び場だった。

 

 アーケードの中のお店は

 ほとんどが実演販売のようだった。

 

 人形焼き

 たい焼き

 お茶

 和菓子

  

 靴や傘の修理

 鞄やさん

 

 職人さんが作る姿を見るのが好きな私は

 毎日のようにお店の前に張り付いた。

 

 機械で量ったかのように餡を切り入れて行く

 たい焼きやさん。

 ふっくらとコロコロと出てくる人形焼き

 七福神がハッキリ判る焼き具合だった。

 

 季節を感じさせる趣向を凝らした干菓子。

 沢山の色を使い分けていた。

 

 まるで新品のように

 壊れたかかとを直して仕上げられる靴。

 何度も修理に行かされた傘。

 ワックスを塗られて

 綻びを縫い直して生まれ変わった鞄。

 

 それを行う

 職人さん達の手が大好きだった。

 

 手作り

 直して使う。

 それが当たり前の時代だった。

 

 それから

 海外で安価で物を作るようになり

 靴や鞄を直すひとは減ってしまった。

 修理した方が高くなってしまうから。

 傘はコンビニで使い捨ての様な扱いだ。

 

 もちろん

 今でも修理はあるのだろうけれど

 それはほとんどが高級品。

 

 

 食べ物も

 近年材料費が高騰して

 人形焼きのような話になってしまっている。

 

 少なくする

 小さくする

 そんな事で価格を変えないようにしている。

 

 伝統のある品格が

 失われつつある。

 

 

 あの職人さんの

 神業のような仕事も見られなくなってしまった。

 

 安価で色々な物が手に入るのは

 いいことでもあるけれど。

 

 当たり前のように日常にあった

 あの日本の技術の素晴らしさが

 無くなってしまった。

 

 

 ペシャンコの人形焼きを食べながら

 考える。

 

 何かとても大切な物を

 失くしてしまったような気がする。

 

 絶対に失ってはならなかった

 日本の素晴らしさ。

 

 なんだか 悲しいなぁ。