hanakosaanのブログ

猫と暮らす日々を気ままに書いてます。

不安の反対。

こんばんわ。hanakoです。

 

 雪が降った。

 

 相変わらずコロナウィルスは猛威を振るい

 志村けんさんが亡くなった。

 

 トイレットペーパーはスーパーの棚に

 並び始めたけれど

 マスクは相変わらず入荷無し。

 

  今日は6件並んだけど買えなかった。

 

 疲れた顔をした常連さんが

 ドラッグストアの帰り道に寄って行った。

 

 パスタが品薄で

 レトルトのカレーがお一人様1つ。

 

 なんだか変だよ。

 世の中が歪んで見える。

 

 

 そんな中

 生産ハウスに病気が出た。

 野菜の苗に感染するウィルスだ。

 

 今朝仕事に行くと

 廃棄トラックの荷台が山になっている。

 

 ??? なんだあれ?

 

 近づいてみると

 これから売り出す野菜の苗が捨ててある。

 

 あぁ 😨😨😨😨😨

 

 実は3年位前からおかしな枯れ方をする苗が目立った。

 何かの病気が入ったんだ。

 

 生産ハウスの人間はみんな気が付いていた。

 だけど 誰も社長に報告しない。

 なぜなら

 メチャクチャ怒るから。

 

 虫が付いた

 病気が始まった。

 そんな事を報告すると機嫌が悪くなり

 

  農薬代だってタダじゃない。

  市場の単価はパートの給料より安いんだ。

 

 

 と言うような嫌な皮肉を言い出すので

 誰も気が付いていても報告しなくなった。

 

 いや私達が報告しなくても

 社長も気が付いているはずだ。

 40年近くもこの仕事をやっているんだもの。

 

 しかしその年はみんなの不安をよそに

 社長はそのままやり過ごしてしまった。

 

 そのまま毎年同じような状態が続き

 とうとう恐れていた事が今年起きた。

 

 野菜の苗が広範囲に次々枯れだしたのだ。

 

 顔の知れていない団塊シスターズの片割れが

 数日前 匿名で農協に苗を持ち込んだ。

 

  これ ハウスの中にウィルスがいるんです

  それが悪さをしてる。

  ハウスを薬剤洗浄しないとハウスの中の

  苗が全部やられてしまいますよ。

 

 そう言われたそうだ。

 

 やっぱりなぁ。

 みんなが予想していた通りだった。

 

 シクラメンが終わってハウスが空になった時 

 なぜ消毒をやらないのか。

 毎年みんなはヤキモキしていたのだ。

 

 とうとう今年は病気が広がってしまった。

 

 しかもコロナウィルスの騒ぎのこんな年に

 いや そんなものだ。

 弱り目に祟り目とはこういうものだ。

 

 廃棄トラックに野菜苗を捨てる

 重苦しい空気。

 隣の店にいる私にも伝わってくる。

 

 少し興奮気味の社長の声が聞こえる。

 

  隣のハウスの中の物も捨てましょう。

 

 そこは私が薔薇を入れているハウス。

 売れ残った物を一度そこに入れて

 育て直すハウスでもある。

 いろいろ歴代の物が入っている

 40年分の物置にもなっている。

 

  こんなのがあると病気が広がるんです。

 

 なんだよ

 隣のハウスに八つ当たりしているのかよ。

 問題はそこじゃない。

 本当にわかっていないの?

 

 今度は店に来て

 地面に根付いてしまった

 大きな月下美人を切るように私に言った。

 

  こういうのを伸ばしっ放しにしていると

  いろいろ伝染るんです。

 

 違うってば。

 何年も消毒もしないで色々な物を作ったから

 ハウスの中が汚れているんだよ。

 それは社長が指示しないと誰もやらない。

 八つ当たりしても問題の解決にはならない。

 

 

 

 隣のハウスに戻った社長が言った。

 

  ハウスの消毒なんてやったら

  お金がかかってしょうがない。

  もう 花屋なんて辞めろって言ってるんでしょうね。

 

 あーあ 言っちゃった。

 

 その声はお店にいるお客様にも聞こえていた。

 なんて馬鹿なんだ。

 せっかく来てくれているお客様に失礼だろ。

 それが社長の言う言葉か。

 

 

 ここであえてなぜ社長の事を書いたのか。

 

 よく

 ピンチの時にそのひとの人柄がわかるという。

 まさにこれ。

 

 確かに事業主は大変だろう。

 押しつぶされそうな不安もわかる。

 

 ただ

 それは誰も同じだよ。

 

 さも自分だけが被害者みたいに

 なんでも人のせいにするのは間違いだ。

 

 しかも冷静に見てごらん。

 客足は減ってはいない。

 

 それどころか

 ここ数日は新しいお客様が来ている。

 

 なぜなのかまだわからないけれど

 友人に聞いた

 近所のひとがここで買ったから

 そんな事を話してくれるお客様が何人もいた。

 

 客単価は高くはない。

 だけど確実に客層が若くなっている。

 

  何処へも行けないから

  子供達とお花を植えます。

 

 そんな若い親子も来てくれた。

 

 なんとかなる。

 私はそう確信している。

 

 それなのに。

 パニクって周りが見えなくて

 闇雲に当たり散らしている社長。

 

 ものすごく見苦しい。

 そんなふうに見えるんですよ。

 私も気をつけなくちゃ。

 

 

 そもそも今に始まった事じゃない。

 自分の怠惰が結果になっただけの事だ。

 

 世間のせいにするなよ。

 

 

 今は 確かに世の中は不安だらけだ。

 

 だけど

 落ち着いて周りを見てごらん。

 

 不安の反対も沢山落ちている。

 私は 今日も平和だ。

 何も今までと変わらない。

 

 不安に呑み込まれるな。  

 

 1番目の前の

 やるべき事をしっかりとやってゆく。

 それが 今 私の出来る事だ。

 

 

 居眠りしているキーさんの頭を

 お店に来た子供達が撫でている。

 

 何も変わらない。

 

 不安の反対。

 

 平和?

 平安?

 

 幸せ?