hanakosaanのブログ

猫と暮らす日々を気ままに書いてます。

先生。

こんばんわ。hanakoです。

 

 昨日よりちょっと寒い朝

 ボクとクロワッサンを取り合いながら

 花屋さんでお店番。

 

 外を子供たちが賑やかに通る。

 

 そっかぁ。

 今日は離任式。

 他の学校へ移動する先生とお別れの日。

 

 

 私は高校の時の先生を思い出した。

 

 新規採用で入ってきた先生。

 ガチガチのド真面目。

 高3の生徒とはわずか5才しかはなれていない。

 私は彼をぼっちゃんと呼んだ。

 精神年齢が三十路だと言われていた私は

 子供っぽい彼をほとんどバカにしていた。

 むこうも知ってか知らずか

 なぜか私に敬語を使った。

 

 夏休み

 原稿用紙20枚の私の読書感想文に 

 1枚1枚赤線を引いてはなまるをつけたバカ真面目。

 

 わかり合うこともなく

 1年は過ぎていった。

 

 卒業式の日。

 吹奏楽部のお別れ会に出るために

 職員室の前の階段を登り始めた私の後ろから

 ぼっちゃんの声がした。

 

  hanako 死ぬなよ!

  おまえは おまえでいいんだから。

 

 階段の下から怒鳴るぼっちゃんは

 いつもの真っ直ぐな目をしていた。

 

 手首の傷

 わかっていたんだな。

 

 私は返事もせず

 階段を登り続けた。

 

 それがぼっちゃんを見た最後だった。

 

 私が卒業した時にぼっちゃんも他の学校へ離任して行った。

 

 

 それから数年後

 ぼっちゃんは自ら人生を終わらせた。

 

 先生を辞めて

 何をしていたんだろう。

 

 ひとに死ぬなと言っておいて

 自分はなんだよ。

 

 そんなに辛かったのなら

 電話のひとつもすればよかったじゃないか。

 

 

 

 それを知ったのは

 つい最近。

 

 私は

 あのときのぼっちゃんの歳をはるかに

 越えてしまったよ。

 

 必死に生きたよ。

 死ななかったよ。

 

 これからも生きてやるよ。

 

 いつかまた会えた時

 笑ってやる。

 

 

 私は 死ななかったよって。