hanakosaanのブログ

猫と暮らす日々を気ままに書いてます。

傘。

こんばんわ。hanakoです。

 

 雨が降ると 思い出す事があります。

 

 小学生の頃雨が降ってくると

 お母さん達が傘を持ってきてくれた。

 

 授業中ドアの硝子をお母さんが覗く

 先生がその子に取りに行くよう促す。

 

 廊下で笑い声が小さく聞こえた。

 

 その子が教室に戻ってくる

 手に傘を持ってうれしそうに。

 

 私はそれがうらやましかった。

 

 私は傘を持ってきてもらった事が無かった。

 仕事をしている母親が傘を持ってきてくれる

 事は出来なかったから。

 ううん

 母親は傘を持ってきてくれるような人では

 無かった。

  

 傘を持って行かないあなたが悪いのです。 

 なぜ 私が傘を持って行かなければならないの?

 そういうひとだった。

 

 確かにそれは正解。

 だけど 何かが違って思えた。

 

 傘が

 母親の愛情に思えた。

 

 雨に濡れて帰る冷たさ。

 私は大人になっても忘れられなかった。

 

 ずっとずっと雨に濡れていた。

 傘の無い自分を惨めだと思いながら。

 

 でも

 もう やめよう。

 

 雨は止んだよ。

 傘はいらない。

 

 大人になった私が

 笑いながら手を振っている。

 

 太陽の光りが射す道を私は歩いて行くんだ。

 

 きらきら光る水溜まりを踏みながら。