hanakosaanのブログ

猫と暮らす日々を気ままに書いてます。

別れ。

今回のブログの内容は亡くなった方の様子が 

描写されています。

苦手な方はご遠慮下さい。

久しぶりのブログに遊びに来て頂いて

ありがとうございました。

次回のブログでお会い出来たらと思います。

 

 

 こんばんわ。hanakoです。

 

 なんだかモヤモヤとした毎日を過ごして 

 いた昨日の朝。

 

 裏の建物に住む

 大阪のおばさんが亡くなった。

 

 おばさんは元々は花屋さんのお客様。

 

 偶然私が住む建物の

 裏の建物に引っ越して来た。

 

 生まれは大阪で

 名古屋へ嫁いだけれど

 子供2人を残して家を出た。

 

 色々な男の人の話が出てきて

 

 ここから詳しい話は知らないけれど

 埼玉県でクラブを経営したおばさんは

バブルに乗ってビルを建てる程儲けたけれど

 どんぶり勘定のツケの脱税を密告され

 すべてを失う事になった。

 

 その時の常連さんだった男性に誘われ

 わたしが住む街の近くに来たおばさん。

 

 その男性の仕事だった

 パチンコ屋さんの管理人の仕事を

 住み込みでしていた。

 

  このままだと何も残せないから。

 

 そう言った男性は籍を入れてくれた。

 その2年後に旦那さんは突然亡くなり

 おばさんは多額の生命保険を手にする。

 

 そしてパチンコ店で知り合いだった

 今の内縁の男性が住んでいた

 私が住む街へやって来た。

 

 パチンコ店の寮で飼っていた

 犬1匹と

 猫2匹を内縁の男性が嫌った為

 その3匹を住まわすために

 裏の建物を借りていた。

 

 挨拶に来てビックリ!

 パチンコ店の花壇に花を買いに

 時折花屋さんに来ていたお客様だった。

 

 それから

 付き合いが始まった。

 

 関西人の押しの強さと言うか

 おばさんの性格か

 私の家の周りの住人は

 おばさんに振り回された。

 

 勝手に外にあったゴミを捨てられたり

 花壇が出来上がっていたり

 除草剤をまかれたり

 とにかくパーソナルスペースなど

 全く考えもしない人だった。

 

 私もいつの間にか娘のような存在という事  

 になっていた。

 

 いらないと言っても

 黒いTシャツの真ん中に

 キラキラ輝くパチものミッキーマウス

 付いているどこで見つけてきたんだと言う

 シャツを私に似合うからと買ってきたり

 

 食べないなら買わない方がいいと言っても

 賞味期限切れのパンを山のように

 玄関にぶら下げて行った。

 

 尽くせば好かれる

 そう思っているちょっと重いところが

 内縁の男性や親戚にまで

 お金を湯水のように使い

 ミイラ取りがミイラになった

 パチンコにもお金をつぎ込み

 

 数年で保険金のほとんどを

 使い果たしてしまった。

 

 金の切れ目が縁の切れ目。

 内縁の男性にも愛想をつかされ

 それでも年を取りお金のないおばさんは

 ここに住むしかなかった。

 

 動物3匹が亡くなった誰もいなくなった

 建物に

 夕方になるとおばさんは帰ってきた。

 そしてひとりで夜を過ごし

 朝になると内縁の男性の家で1日を過ごす。

 

 最近はそんな日々を過ごしていた。

 

 朝いつもの時間に来ないおばさんを

 内縁の男性は様子を見に来て

 動かなくなったおばさんを見つけて

 私を起こしに来た。

 

 私を起こすんじゃなくて救急車だろ!

 

 慌てておばさんの所へ行くと

 おばさんは布団に寝ていた。

半開きになっていた口は息をしていなかった

 

 ボーッと見ている男性を押しのけて

 おばさんに触った。

 手足が冷たく固くなり始めていた。

 

 急いで救急車を呼んだ。

 救急車が到着すると

 様子を見て

 間もなく警察が呼ばれた。

 

 救急車の音に

 近所の人が出てきて

 家の周りは野次馬でごった返した。

 

 私は

 おばさんの髪の毛を直して頭を撫でた。

 黒髪は抜けて産毛のようになっていた。

 初めてあった頃から

 随分年を取ったんだね。

 

 おばさんの頬を触った。

 まだ少し温かいような冷たいような頬。

 

亡くなってからまだ時間が経っていないのか

 おばさんは眠っているような顔だった。

 揺らせば目を覚ますような気がした。

 

 おばさん

 さようなら。

 

多分もうおばさんを見る事は出来ないだろう

 

 第一発見者では無かった私は警察官に

 外へ出るように促された。

 私は部屋から出た。

 

  どうしたの?

 

 近所の人が次々私に話しかけた。

 

 あんたは

 おばさんが野良猫に餌をやるって

 おばさんの事を怒鳴っていたよね?

 

 あんたは

 おばさんの買い物を運んでいた私を

 見下したような顔をして見ていたよね?

 

 なんでこんな時は

 みんな親しかった様な

 心配している様な顔をするんだよ。

 

 仲良くなんてなかったくせに。

 

 

 長い時間が過ぎて

 

 おばさんは

 警察署へと運ばれて行った。

 

 連絡する身内が見つからなかった。

 籍を入れていない男性も警察からしたら

 他人でしかない。

 

 しかも男性は

おばさんがどこへ運ばれたかも知らなかった

 関心が無いのだ。

 警察に尋ねもしなかった。

 せいせいしたんだろうな。

 日頃からおばさんに冷たかった。

 救急車を呼べととうとう言わなかったもの

 

 埼玉県にいる長男か

大阪にいる妹が身元引受人になってくれるのか

 それも期待薄だ。

 

 ただ

 どんなに親しくしていた関係でも

 私に何をする権利も法律の上では無いのだ

 

 

 

 おばさんの部屋。

 

 よく吠える犬と

 臆病な猫たち。

 

 内縁の男性に入れあげて

 帰って来ないおばさんの代わりに

 ご飯をあげに来た。

 

 ここにみんな居たのに

 今は誰も居なくなった。

 

 私ももうここへは入れなくなるだろう

 

 馬鹿だなぁ

 保険金持って大阪に帰れば良かったのに。

 

 こんな薄情な男にひっかかってさ。

 ぜーんぶお金使っちゃって。

 

 こんな小さな部屋で

 ひとりで死ぬなんて。

 

 ポストに入っているのは

 パチンコ店のDMだけだった。

 

 友達と呼べる人もいない。

 

 知人に知らせても反応が薄い。

 あぁそうですかだけだった。

 

 嘘つきでタヌキだったからなぁ。

 

 誰も泣いてくれないよ。

 

 

 昨日の朝からバタバタと

 ほんと迷惑だったよ。

 

 やっと落ち着いた。

 

 これから少しだけ泣いてあげるから

 早く空へ行きなよ。

 

 

 さよならおばさん。

 

 

 色々 ありがとう。