hanakosaanのブログ

猫と暮らす日々を気ままに書いてます。

盆の入り。

こんばんわ。hanakoです。

 

 これからしばらく雨が続くらしい。

 

 ちょっと涼しいけれど

 やっぱり入道雲モクモクがいいな😄😄😄

 

 明日は盆の入り。

 お墓と仏壇の供え花でかきいれ時

 花屋は忙しいのです😑😑😑😑😑

 

 私も朝から店の合間を見て

 生花の仕入れにアチコチ。

 

 どうしてもあと1種類

 盆花のアレンジが気に入らない。

 

 いつもゆくスーパーの中の生花屋さんで

 愚痴っていたら

 

  hanakoちゃーん!!!

 

 誰かが背中からぶつかって来た。

 

 振り返ると

 

 あっ! ビッグマック

 じゃない レイコ!

 

 高校の同級生のレイコがいた。

 

  久しぶりだねー。

 

 そうだね 何年ぶりかな?

 

  変わらないね ウフフ。

 

 なんだよ相変わらずだな。

 柳原可奈子でっかくしたみたいな感じ。

 

 私はレイコが苦手だ。

 私とは多分真逆のタイプ。

 

 苦手と一緒にちょっと負い目がある😑😑😑

 

 

 高校3年生の夏休みが始まる前日の昼休み

 私はいつものように屋上でカップラーメン

 を食べていた。

 

 そこへ登ってきたのは

 同じ吹奏楽部のヒロ。

 

 なんだよ

 ひとの縄張りに勝手に入るな。

 

 本当は立入禁止の屋上。

 ひとりでのんびり出来る屋上に

 来客があり私は不機嫌。

 

  hanako頼む!

  夏休みだけ彼女になってくれ!

 

 は?

 おまえバカじゃないの?

 

 緑のたぬきが鼻から出そうになった。

 

 事情を聞くと

 レイコに告られたらしい。

 

  俺 レイコ苦手なんだよ!

 

 なら断ればいーじゃん。

 

  思わず

  彼女いるって言っちゃったんだよ。

 

 だから私ってどー言うことさ。

 

  お前くらいしか空いてないんだよ。

  しかも同じ部だからバレづらい。

 

 😑😑😑😑😑😑😑😑 コノヤロウ。

 

 確かに夏休み前はカップルが出来る

 寂しい夏休みをみんな過ごしたくない。

 空いてる方が珍しい😑😑😑

 

 空いてるヤツは

 独身貴族か変わり者くらいだ。

 

  な! 頼む!

  かき氷おごるから!

  宇治抹茶にあずき山盛りでいいから。

 

 😑😑😑😑😑 白玉も全開だぞ。

 

 かくして

 偽装カップルは出来上がったのだった。

 

 

そのあと私はレイコに文句を言われ泣かれた。

 

  ヒロ

  ちっともhanakoちゃんと似合わないよぉ

 

 あんたも似合わないと思うよ😑😑😑

 

  なんでhanakoちゃんみたいに

  変わり者がいいの?

 

 うるさい ビッグマック

 そうなんだよ!

 付き合ってなんかいないんだよ!

 

 出そうになった言葉を飲み込んで

 ニコニコ笑ってやった。

 

 レイコは号泣した。

 ごめんなー レイコ。

 

 これもヒロ

 いやかき氷の為なんだ😁😁😁

 

 

 偽装は偽装であり

 ヒロと私は全く別々の夏休みを過ごした。

 

 部活でもパートが違うので

 話すことも無く

 

 あっと言う間に夏休みも残り少なくなった。

 私は偽装カップルの事すら忘れていた。

 

 

 夏休み最後の練習の日

 ヒロが声をかけてきた。

 

  約束のかき氷おごるから。

 

 おぅ!

 

 夏休み最後の日

 ヒロと私はバスに乗っていた。

 

 私はいつものたまり場の

 焼きそば屋さんのかき氷でいいと言ったのに

 

 せっかくだからと

 かき氷で有名な甘味屋へ行こうと

 ヒロが誘ってくれたのだ。

 

 かき氷を食べながら

 はじめてヒロと色々な話をした。

 

 高校を卒業したら大学に進学して

 家の仕事を継ぐつもりだとヒロは言った。

 

 そうだね

 あと半年くらいで卒業だ。

 みんなバラバラになっちゃうんだね。

 

 かき氷をたらふく食べて

 帰りのバスに乗った。

 

 行きのバスからは

 モクモクの入道雲が見えた。

 

 でも帰りのバスからは

 夕方になると秋の気配がした。

 

 季節は過ぎてゆく。

 やがてまた寒くなるんだね。

 

 桜が咲いたら卒業だ。

 

 

 帰りのバスは私の方が早く降りた。

 私を降ろして

 走り始めたバスの窓から

 ヒロが手を振った。

 ずっと何度も何度も。

 

 バカだな子供みたい。

 

 こうして偽装カップルは終了した。

 

 

 それから新学期が始まって

 吹奏楽部はコンクールの為に忙しくなり

 ヒロと私は話もしなかった。

 コンクールが終わると3年生は引退。

 

 クラスが違うので

 姿を見る事もほとんど無かった。

 

 そして

 あっと言う間に卒業式になった。

 

 卒業式が終わったあと

 音楽室にみんなで集まった。

 

 ヒロは自分が使っていたトロンボーン

 愛おしそうに触っていた。

 

 その時見たヒロが私が見た最後のヒロだ。

 

 

 大学を卒業したヒロは家業を継いだ。

 

 それから5年後

 ヒロは仕事中の不慮の事故で亡くなった。

 

 

 月日がヒロの事をぼやけさせてゆく

 だけど みんなどこかにヒロを忘れずにいた

 

 こんなに若くして亡くなる仲間が

 いるなんて卒業式に誰が思っただろう。

 

 

 久しぶりに会ったレイコの口からも

 ヒロの事が出てきた。

 

     ヒロが亡くなって随分経つね。

  hanakoちゃん

  ヒロと結婚約束してた?

 

 レイコが真面目な顔で私に聞いた。

 

 んな訳ないだろ。

 あの話は

 山盛りの宇治金時白玉のせで終わったのだ。

 

 ううん。

 

 

 もう 話してもいいだろう

 偽装カップルの事。

 レイコは結婚したし。

 

 さすがにレイコが苦手だったとは言えない

 けれど

 そこはなんとかごまかして。

 

 いや レイコさぁ。

 私が話そうとした先に

 レイコが口を開いた。

 

  私 ヒロが亡くなる少し前に

  ヒロと街でばったり会ったのよ。

  hanakoちゃんと仲良くやってる?って

  聞いたらね。

 

  自分が社長になったら

  hanakoちゃんむかえに行くんだって

  うれしそうに言ってたよ。

 

 ??? なんだそれ?

 

  お葬式にも来てなかったからね

  hanakoちゃん

  よほどショックだったんだろうねって

  みんな言ってたんだよ。

 

 そりゃそうだよ

 私がヒロの死を知ったのは

 亡くなってから2年後だったもの。

 

 卒業してから

 1度も連絡を取らなかった。

  

 ヒロ?

 またレイコに嘘をついたの?

 

 今となっては

 もうヒロに聞く事も出来ない。

 

 明日は盆の入り。

 ヒロも帰ってくるのだろう。

 

 今日 レイコからそんな事聞くなんてね。

 

 お墓参りくらいしてやろうかな。

 

 その代わり

 迎えに来るなよ。

 まだそっちに行く気はないからね。