hanakosaanのブログ

猫と暮らす日々を気ままに書いてます。

ごめんなさい。

こんばんわ。hanakoです。

 

 はじめて瀬戸内晴美を読んだのは

 15の時だった。

 

 本屋の棚から偶然手にしたのが

 瀬戸内晴美だった。

 

 本能に身を任せ

 自分の子すら捨て男に走る女。

 そんな自伝的な小説だった。

 

 

 私は小説の中の女に

 何故か自分の母親を重ねた。

 

 人間の弱さや愚かさや

 美化された愚行を笑った。

 

 そして

 自分にもその血が流れている事を呪った。

 

 

 瀬戸内晴美は出家し

 母親も信仰の道に傾倒して行った。

 

 母親が亡くなり

 テレビなどで瀬戸内寂聴を見るたびに

 私は無意識に母親を思い出していたんだ。

 

 神に仕える事で

 あなたは清い者になったの?

 

 あなたが傷つけた者の傷は

 そんな事では癒やされなどしない。

 

 どこまで

 自分勝手なの?

 

 あなたは逃げただけだ。

 

 自分の罪から。

 

 

 迷惑な話だね

 見も知らぬ私からそんな恨み言を言われても

 

 わかっているよ

 わかっているけれど

 私はずっとあなたにぶつけていたんだよ。

 

 自分のやるせなさを。

 

 あなたが亡くなったと知った時

 私は心が軽くなった気がしたんだよ。

 

 重い重い何かが

 自分から離れたような気がした。

 

 ホーっと出た深いため息。

 

 

 ほんと 

 迷惑な話だね。

 

 ごめんなさい 寂聴さん。