hanakosaanのブログ

猫と暮らす日々を気ままに書いてます。

まぼろし。

こんばんわ。hanakoです。

 

 関東では春一番が吹きました。

 観測史上最も早い観測だとか。

 

 これで暖かくなるのかなぁ?😅😅😅

 

 寒い風の中

 並んで灯油を買うのはキツイです😥😥😥

 

 
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 朝ゴロゴロ。

 地面冷たくないの?

 

 

 お昼頃

 店に来た常連さんが

 やはり常連さんのおじさんが亡くなった

 事を教えてくれた。

 

 えっ? 

 私 1週間前に会ったよ?😧😧😧

 

 昨年からガンを患っていて

 一昨日容体が急変して

 救急車の中で亡くなったそうだ。

 

 このおじさん

 実は10年位前に私が住む近所に住んでいた

 

 もともと

 商店街の中で奥さんが理容店を営んでいた

 よく言う髪結の亭主だ。

 

 昼間からブラブラと

 仕事もせずにいたらしい。

 

 道を広げる調整区域に店が入ってしまい

 店をたたんで家を建てるため

 私の家の近くの一軒家を借りていた。

 

 車好きのおじさん

 一軒家の庭には

 高級車が並んでいた。

 

 1年くらいすると

 奥さんが自殺した。

 体が悪くてそれを苦にしてと言っていた

 けれど

 実はおじさんの女癖の悪さを苦にしてだと

 いう噂だった。

 

 新しい家が出来たのと噂を気にしてか

 間もなくおじさん達は引っ越して行った。

 

 新しい家だと知人に教えてもらった家は

 ビックリするくらいの豪邸に

 相変わらず高級車が並んでいた。

 

 しかし奥さんが亡くなった事から

 3人の子供達とギクシャクしたらしく

 子供達は家を出て

 いつの間にか豪邸は空き家になった。

 

 私が花屋さんで仕事を始めると

 なんと そのおじさんが自転車で

 花を買いに来た。

 

 花屋さんの近くの市営住宅

 フィリピン人の内縁の奥さんと住んでいた

 

 お互い顔を知っていたけれど

 私の家のそばであった事には触れず

 ただ 花屋さんの常連さんとしての

 付き合いが始まった。

 

 おじさんは地元のアジア系の女性に顔が広く

 内縁の奥さんと言われる人も良く変わった。

 いつも自転車に乗っていて

 車に乗っている所は1度も見なかった。

 

 あの豪邸を売ったお金を持っているのか

 定職にも就かず

 おじさんは毎日自転車でフラフラしていた

 

  あの人はお金と親戚だよ。

 

 花屋さんに来たタイ人の女性が

 私にそう教えてくれた。

 

 そんなお金持ちが

 お金が無いからとガンになっても

 病院に行かず

 入院出来ないからと一軒目の病院を断り

 救急車の中で死ぬ事になったのか。

 

 おじさん

 あまりに哀しい最後だな。

 

 私は自分の父親を

 そのおじさんに重ねていた。

 

 

 アルコール依存症

 私が10歳の時に別れた父親。

 

 遠洋漁業の船に乗り

 アルコールで体を壊し那須サナトリウム

 に居たあと

 神奈川県の山村に流れ着いた。

 そこで生活保護を受けて生活していたらしいけれど

 火傷をして命を落とした。

 

 表向きは焚き火で火が移った事には

 なっているけれど

 地元のホームレスとトラブルがあり

 病院に運び込まれた時には

 首に締められた跡があった。

 

 わずな生活保護のお金を狙われたらしいが

 誰も状況を知らず何も証拠も無く

 父親の話は警察も目をつぶってしまった。

 

 私が20歳の時

 いきなり市役所から連絡が来た。

 

 別れてから1度も会わず

 10年も経ってから

 父親の危篤を聞くとは。

 

  お父さんがあなたの所へ

  連絡して欲しいと言うので

  あなたの居所を調べました。

  会いに来て貰えますか?

 

 それは身元引受人になるようにと言う事

 でもあるのだろう。

 父親の身内はすでにみんな亡くなっていた

 

 私の中では幻の様なひと。

 存在していたのかいなかったのか。

 それすらハッキリしない。

 

 会ってどうしろと言うのだ。

 

 この電話の最中に父親は亡くなった。

 遺体は祖母の兄弟が引き取り

 祖母達と同じ墓に入れてくれた。

 

 

 おじさんの姿を見るたびに

 私は父親を思い出した。

 

 昼間スーパーのベンチに座るおじさん。

 何をするともなくタバコをふかしている。

 

 ボーッと宙を泳ぐ目。

 

 あの人もこんなふうに

 フラフラと日々をやり過ごしたのだろうか

 

 酒に溺れて自分すら見失って

 屍のように生きていたのだろうか。

 

 なぜ家族を捨てたの?

 

 そんな哀れな最後むかえなくても

 よかったのに。

 

 

 父親と別れて新しい地へ引っ越した時

 独りで留守番をしていた時電話が鳴った。

 

 受話器を取ると無言だった。

 受話器から聞こえる車の音が

 部屋にいる私の耳に聞こえる音と同じだった

 

 すぐそばから電話している。

 

 私はその電話が父親であるとなぜか思い

 急いで受話器を置いた。

 心臓がドクドク言っていた。

 

 家庭裁判所で父親が母親に話したらしい。

 

  何を話していいのかわからず

  黙っていたら

  hanakoに電話を切られたよ。

 

 今でも忘れられないあの電話。

 もしあの時 会話していたら

 私の人生は変わっていただろう。

 

 引っ越し先まで来た父親。

父親はやり直したいと思っていたのだろうか?

 家族を思い出す事があったのだろうか?

 

 

 おじさんのお葬式には

 子供達は現れなかった。

 

 なんでさ

 そんな哀しい生き方したんだよ。

 

 父親の幻だった

 おじさんはもういない。

 

 さようならおじさん

 父親に会ったら言っておいて。

 

 

 あんたらバカだって。