hanakosaanのブログ

猫と暮らす日々を気ままに書いてます。

何が違うのだろう。

こんばんわ。hanakoです。

 

 夕方

 生花の仕入れに行った帰り

 

 うわぁ!

 

 道路に猫が横たわっている。

 車に轢かれちゃったんだな。

 可哀想に。

 

 ん!!!

 

 足が動いたように見えた。

 まだ生きてる!

 

 慌てて車を停めて

 猫の所へ走った。

 

 車にクラクション鳴らされても

 飛び出さない訳には行かない。

 もう1度轢かれたら亡くなっていたとしても

 悲惨な事になる。

 

 道の真ん中に倒れていた猫を引っ張って

 路肩の所まで連れて行った。

 大きなタオルが無かったので

 掛けていたエプロンをはずして

 猫を包んでやった。

 

 猫は動かない。

 だけどまだ生きている温かさだ。

 体温が下がって行かない。

 

 なんで轢かれちゃったんだよ。

 こんな夕方に道を渡るなんて。

 

 見た感じ野良猫だ。

 いやこれで飼い猫だったら問題だ。

 

 頭から背中を何度も撫でてやると

 猫は大きく息をした。

 

 そして

 動かなくなった。

 

 

 落ち着いて見ると

 死んでしまった事よりも

 猫の姿に衝撃を受けた。

 

 汚れて痩せた体。

 骨と皮とはこういう事を言うのだろう。

 いったい何を食べて生きていたんだろう。

 乳離れしてからギリギリ生きてきたんだな。

 

 うちのデブネコ達と

 あまりに違う。

 

 その姿を見るとやりきれなかった。

 世の中にはこんなに食べ物があって

 毎日沢山の食べ物が捨てられているのに。

 

 この子の口には入らなかったんだ。

 この辺は田舎だから

 生ゴミも漁れなかったのだろう。

 こんなに痩せて

 猫缶もカリカリもお刺身も

 この子は食べた事があったのだろうか。

 

 そう思うと切なかった。

 好きで野良猫に生まれて来たわけじゃない。

 

 迷惑そうに通って行くあんたは

 たまたま人間に生まれて来ただけだよ。

 偉くもなんともない。

 

 同じ生き物だよ。

 車に轢かれれば死ぬのは同じだ。

 

 同じなのに

 どうしてこの子は

こんなに苦労しなくちゃならなかったんだろう

 

 

 その後私がどうしたかは

 法律が関係することもあるらしいので

 ここでは書かないけれど

 

 私はこの子を家の子にする事にした。

 名前もつけてやった。

 

 そうすると

 あの子が家の中に付いてきたような気がした

 

 私は心の中で話しかけた。

 

 そこにあるご飯は好きなだけ食べていいよ。

 家の中の何処にいてもいい。

 

 ここは君の家なのだから。

 

 なんとなく

 あの子がいるような気がする。

 多分

 私の罪悪感がそうさせているような気がする

 けれど。

 

 居てくれたらホッとする。

 

 もう

 お腹を空かせて彷徨う事はない。

 雨が降ったら部屋にいればいい。

 好きな毛布で寝ればいい。

 

 

 だけど

 本当はね。

 

 生きているうちに会いたかったよ。

 

 猫缶もカリカリも

 半額品だけどお刺身も

 食べさせてあげたかった。