hanakosaanのブログ

猫と暮らす日々を気ままに書いてます。

ブチ男事故に遭う。

こんばんは hanakoです。

 

 年が明けて1月3日。

 

 箱根駅伝もあと少しで決着がつく頃

 玄関から声がした。

 

 誰?

 もともと来客など無い我が家に

 しかも新年3日目

 気持ち悪いなぁ。

 

 ドアを開けると

 見知らぬ男女が立っていた。

 

  お宅で白と黒のネコを飼っていませんか?

 

 女性が言った。

 

 確かに1匹 家にやってくるヤツがいる。

 飼っているというか勝手に来る奴。

 

 居ますと言うと

 

  あぁ!よかった

  実は暮れの29日に事故に遭って

  うちで保護したんです。

 

 !!!

 そう言えばアイツ

 しばらく見ていない。

 

 そんな事になっていたとは。

 

 女の人の話では

 顔を怪我しているらしい。

 

 しかし

 今日は新年3日

 地元どころかほとんどの動物病院は休みだ。

 

  早くしないと死んじゃいますよ。

 

 男の人が言った。

 

 毛玉だらけ

 猫の毛だらけのネックウォーマーを付けて

 足は裸足でサンダル。

 

 風貌は

 だらしがなく汚いノッポさん

 

 夫婦だと思っていたら

 男性は動物愛護団体のひとだった。

 

 困った女性が

 サイトで調べて連絡をし

 唯一この団体と連絡が取れたらしい。

 

 しかし

 正月休みの今

 どうしたら良いのか。

 

 てか

 保護団体のひとは何もしてくれないの?

 

 その男性が口を開いた。

 

  私が知っている医者なら

  うちに来てくれます。

 

 ???

 聞いただけで手術が必要な話でしょ?

 

 いや 自分の病院に連れていけないの?

 

  応急処置なら出来ますよ。

 

 ???

 なんとなく胡散臭いヤツ。

 

 でも

 今はこの人に頼むしかない。

 

 私は応急処置を頼んだ。

 その後は地元の病院に連れて行くつもりで。

 

 1度帰った二人は

 15分後位に戻ってきた。

 

 男性が私に差し出したのは書類1枚。

 

  譲渡証書にサインして下さい。

 

 譲渡証書?

 いや 私は応急処置を頼んだだけだ。

 

  サイン頂けないのなら

  連れては行けません。

 

 どうしよう

 このままじゃ

 アイツは治療を受けられない。

 

 病院が始まるまであと2日位。

 

  早くしないと

  感染症になりますよ。

  いや もうなっているかもしれない。

 

 28日に私が病院に連れて行き

 2週間効く抗生物質の注射をしている事を

 話すと

 

  素人に何がわかるんですか

  危ないって言ってるんです。

 

 かなり高圧的な態度。

 

 アイツの命を考えたら

 ここは保護団体の力を借りるしかないのだろ 

 うか。

 保護団体だ

 このままここへ置くよりは

 アイツにとって悪くはないはずだ。

 

 渋々私は譲渡証書にサインをした。

 

  これであの猫はあなたの物ではありません

  お返しする事は出来ませんから。

 

 冷たい言葉を淡々と話す。

 こんな時に。

 

 

 最後にブチ男に会わせてもらった。

 

 汚い軽自動車のトランクにアイツはいた。

 

 小さなケージに入れられて

 後ろを向いていた。

 

  ブチ男

 

 私の声がわかったのか

 尻尾が動いた。

 

  痛いか?

  頑張れ ブチ男。

 

 もう行きますからと

 後ろのドアを閉められる時に

 私の口から出たのは

 

  またな ブチ男。

 

 その言葉だった。

 

  もう会えませんよ。

 

 薄ら笑いを浮かべながら汚いノッポが言った

 

 殴ってやりたかった。

 

 でも 今はコイツに頼むしかないのだ。

 

 名刺を頼むと

 持っていないと言う。

 

 何と言う保護団体なのか聞くと

 ある名前を言った。

 

 一瞬言いづらそうに彼の顔が戸惑ったのを

 私は見逃さなかった。

 

 

 走り去ってゆく車を見送りながら

 何とも言えない不安を感じたのは

 

 間違いではなかった事を

 このあと知ることになる。

            

            続く。

 

 今日はここまで。